小説
らき☆ぽけ
第3話「最初のジム戦!!宇宙的少女・ユリシ!!」
コノミタウンで新たな仲間をゲットしたこなたとかがみ・・・。
日もどっぷりと暮れ、見えてきたのは・・・
「トウハトシティだ!!」
こなたが町の影を見るや否や子供のようにダッシュする。
「かがみん!やっぱりジョーイさんの言った通りだったよ!一日かからずして着いた!!」
「そうね。」
内心半信半疑だったこなただったが実際着いてみると疑ってたことも忘れ大喜びする。
「こなた・・・とりあえず落ち着け!というか小学生か!!」
早くジム戦に臨みたそうに体を疼かせるこなたを抑えつけてかがみはポケモンセンターを探すことにした。
「どこにあるのかしら?」
「ねぇあれじゃない?」
街に入ったところで一番目立つネオンが施された大きな建物・・・。
よく見るとポケモンセンターのトレードマークであるPの文字がネオンの影になる場所にあった。
「どうせ・・・ネオンつけるならPの字につけたらいいのに紛らわしい!」
かがみはブツクサ文句言いながらポケモンセンターに入っていく。
「とりあえず・・・ジム戦は明日ね?今日はゆっくり休んで・・・」
かがみが興奮気味のこなたに釘を刺していると奥からジョーイが出てきた。
「あなた達ジム戦にやるの?」
「いや・・・私は・・・。このこなただけで。あ、そだ。ちょっと聞いていいですか?」
ポケモンを預けながらかがみはこの街の事をいろいろと質問する。
そこでこの街の奇妙な行事を教えられる。
「宇宙人との交流会?」
基本、非科学的なかがみはそんな電波なイベントにクエスチョンマークを浮かべるが、こなたはさも普通のことのように話をする。
「誰が主催なんですか?」
「ユリシさんよ?この街のジムリーダーの・・・」
「へぇ・・・ジムリーダーが・・・」
特にこなたは驚く様子もいなく出されたミルクティを飲む。
その一方でかがみは驚きを越しもう呆れかえるばかりだ。
「じゃあ、今日ユリシさんはそのサークル活動やってるの?」
「いや・・・お前サークルって大学じゃないんだから!」
しかし、当たらずしも遠からず・・・。
こなたはそんなサークルに興味を示し、ジョーイの教えられるまま、この街の外れにある小高い丘の上を目指した。
「もう・・・こんな夜になんで丘なんか登らないとだめなのよ・・・。」
正直疲れ切っていたかがみはパスしようとはしたがこなたの半ば強引な誘いにいつもの感じで乗ってしまった。
今はそんな浅い自分に後悔をしている。
「着いた・・・。」
丘の上は満面の星空が一望でき、心地のいい風に下にはネオン光る町の風景がみえた。
さっきまで少々ご機嫌斜めだったかがみもその景色に見とれてしまう。
「ね?来てよかったでしょ?」
「ま・・・まぁね?」
かがみは少し偉そうな口ぶりで答えるも、まるで弱点をつかれたみたいに声には明らか分かる照れ隠しが入っていた。
それで自然と頬を赤くしてしまう。
「そ、それよりユリシさんどころか誰もいないじゃない!!」
確かに周りを見ると誰もいない・・・。
確かにジョーイにはここいいると言われてきたのだが・・・天体望遠鏡があるだけで人の影はない。
二人は少し辺りを探すがやはりいない・・・。
「どうする?帰る?」
かがみの言葉にこなたも諦めたように丘を降りようとした。
その時だった・・・
「あ、あのー助けて下さいです〜!!」
上から聞こえる声・・・。
それに釣られこなたたちが上を見上げるとハンググライダーで飛行する少女が必死にこちらに助けを求めている。
どうやらうまく降りられないらしい。
「どうする?助ける?」
「当り前でしょ・・・無視もできないし・・・。」
少し前に正義のトレーナーと名乗っていたとは思えない口ぶり。
というよりもこなたはあの典型的なドジっ子がもう少しパニくるのを見ていたかっただけだ。
かがみもまるで妹を見ているようで少しため息を出す。
しかし助けないわけにもいかない。
「ムックル、チコリータ出ておいで?」
ムックルの背にチコリータが乗る。
ムックルはチコリータの重さにふら付きながら上昇する。
「チコリータ!!”つるのむち”!!」
チコリータが少女の胴体をつるでしっかりとつかむと、ムックルがゆっくりと前に進みながら高度を下げていく。
そして、少女は軽やかな身のこなしでハングラーダーを離すと地面に着地した。
「大丈夫ですか?」
地面に着地する少女にかがみたちは駆け寄る。
「ありがと、あなたたち!!もう少しで地平線の彼方まで行っちゃうところでした!!」
少女は若干涙目で、かがみとこなたの手を握りオーバーなリアクションで礼を言う。
「い、いえ・・・でもなんでハンググライダー?」
「あぁ、これですか?これは今練習中なんですよ!!」
実際ハンググライダーなど見るのは初めてなので珍しそうにこなたとかがみはまじまじと見つめる。
「・・・なんでハンググライダーなんて始めたの?」
「宇宙人を追跡するためです!!」
「は?」
こなたの質問にやけに自信満々に答える少女。
その答えにかがみのみならずこなたも正直引いたようなリアクションを取ってしまう。
しかし、当の少女の方はまったく気にしてないように話を続ける。
「この前、私ここで観察をしていると宇宙から飛来してきた未確認飛行物体を目撃したんです!!私すぐにでも追いかけたかったんですけど生憎鳥ポケモンを持ち合わせてなくてそれで今、ある方にハンググライダーを習ってるんですよ!!」
意気揚揚と話す彼女にこなたとかがみは確信した。
「ねぇ・・・かがみん?」
「分かってる・・・多分この人なんじゃない?っていうかジョーイさんの話からするとこの人しか出てこないわよ!」
そう・・・彼女こそがこなたが探し求めていた人物トウハトジムのジムリーダー・ユリシだということにこなた達は確信が至ったのだ。
そうと分かれば、早速こなたはハイテンションで語る彼女に話しかける。
「あ、あの・・・ジムリーダーのユリシ・・・さん?」
こなたの言葉に反応した彼女は、さっきまで話していた宇宙的電波話をピタリと止めた。
そして、同時に顔を青く染めだす。
「もしかして・・・あなた挑戦者だったんですか?」
どうやらこなた達の勘は当たっていたらしい。
彼女こそがトウハトジムのユリシだった。
ユリシは見ただけでも分かるような不安そうな表情と声でこなたに訊き返す。
それを察しこなたも少し答えづらそうに首を縦にふる。
そして、それを確認するとユリシは大きなため息をついた。
「あ、あの・・・?」
「ついてないですぅ・・・こんな時に・・・。」
明らか落胆したユリシに流石のこなたも困惑する。
「どうかしましたか?」
「私、明日の朝一からここを出て別の街へ行かなきゃだめなのですよ・・・。」
「マ、マジですか!?」
流石の急展開にこなたは驚き、テンションが一気に下がっていく。
「ごめんなさい!!帰ったらちゃんとお相手しますから!!」
「ちなみに帰ってくるのは?」
その質問にユリシは一瞬、間を置く。
「・・・・来週・・・いや再来週かな?」
こなた・・・特にかがみにとってはあまり好ましくない日数だった。
かがみにとって一刻も早くこの世界からの脱出したいこの状況下で2週間というのはあまりに長すぎた。
「ごめんなさい!!私のことは諦めて下さい!!まだジムはいっぱいありますから、別に私と無理に戦わなくても大丈夫です!!」
確かに・・・ポケモンリーグに必要なジムバッジは8つであるが別にジム自体が8しかないわけではない。
確か全部で20以上はあったはずだ。
その中で有名なジムとマイナーなジムとがあるだけで、どこでバッジを8つ取ってもそれは認められる。
なのでユリシに無理に戦わなくてもこなたにとってはしばらくジム戦がお預けになるだけでさほどの障害はなかった。
「仕方ないわね・・・こなた、ここは諦めて次の街にしなさいよ?」
「うぅ・・・」
かなり残念そうに涙を流すこなたを励ますかがみ。
しかし、こなたの気は晴れない・・・。
「・・・こなた?」
そんな時だった。
ユリシが先ほどのかがみの言葉に反応した。
「こなたって・・・あなた達、もしかしてコノミタウンからやってきましたか?」
「そ、そうだけど・・・」
かがみのその言葉を聞くと、ユリシの顔がパッと明るくなった。
「会いたかったんですよー!!」
そういいながらユリシは小さな腕でかがみとこなたを抱きしめた。
「ちょっとお話を聞きたかったんですよ?」
「は、話?」
かがみはユリシの腕を振りほどきながらある勘を働かせる。そして思い出す。
「まさか・・・ノズパスの群れの話ですか?」
「そうです!!それです!!よく分かりましたね!?」
まぁ最近この街にやって来た自分たちに彼女が聞きたいことといったら昨日のノズパスの異常な反乱のことくらいだろう。
しかし、ここでこなたは考えた。
というか悪知恵を働かした。
「別に話してもいいけどその前に私の頼み聞いてくれません?」
「う・・・」
ユリシは固まる。
こなたの言う条件が何なのかが容易に察しることが出来たからだ。
「ん〜・・・」
ユリシはしばらく考え、諦めたようにため息を吐く。
「じゃあ、いいですよ?あなたの挑戦を受けるってことで話聞かせてくださいね?」
別に条件を付けてまで話すことでもないがユリシの頭の弱さとこなたの嫌らしい言い回しがユリシにその条件を飲ませたのだろう。
そんなことをかがみは思っていたが、それよりもどうしてそこまでしてノズパスの話を聞きたいのかがかがみには分からなかった。
そんな中で話は進んでいき、ユリシの方も条件を突き付けて来た。
「その代り、今からやりますよ!!そして今晩中に話を聞かせてもらいます。」
「オーケーです!!」
バトルが出来るなら何でもいいやといった感じに快くOKを出すこなた。
そしてこなたのテンションはみるみる内に上がっていきあっという間に丘を降りて行った。
かがみはそんなこなたのテンションの上がり下がりに半ば呆れながら後ろからゆっくり丘を降りて行った。
トウハトジム・・・バトルフィールド。
一面青い壁にやたら高い天井・・・。
天井にはプラネタリウムがある。
そこでこなたは本日2度目の衝撃を受ける。
「今・・・何と?」
「あ、だ、だからルールは1対1で使用ポケモンは3体って・・・」
こなたの反応でユリシも何かを察したかのように声を弱め、申し訳なさそうな表情を浮かべる。
こなたはその場に膝をついた。
そう・・・こなたはポケモンを3体も持ち合わせていないのだ。
かがみもこなたの切ない後姿を見ていると何も言えない・・・。
「今から・・・3匹目ゲットしてる時間もないし・・・」
確かにもう夜・・・ユリシの明日のためにもポケモンゲットは不可能に近い。
ここまで来るとこなたは諦め、立ちあがりユリシに一礼するとかがみの方へ歩いてくる。
「えと・・・こなた元気出しなさいよ!!」
無理に励まそうとするかがみの手をこなたはなぎ払った。
「こなた・・・」
かがみはその手に嫌なほどの不安感を募らせたが次のこなたの言葉でそれが一気に吹き飛ぶ。
「かがみ・・・あとはよろしくね?」
「・・・は?」
一瞬かがみにはこなたの言ってる意味が理解できなかった。
「ええ!私は別にいいですよ?」
かがみ、反論・否定の言葉を口にする前に追い打ちをかけるかのごとくユリシがOKのサインを出す。
「いや・・・でもわたしはジム戦にあまり興味は・・・」
必死に拒もうとするかがみ・・・。
それに対抗するようにさっきまで乗り気のなかったユリシが推してくる。
どうやら、バトルフィールドを前にバトルへの興奮がこみ上げてきたらしい。
「かがみちゃん、やらず嫌いはよくないですよ?異文化ってのはそれに触れてみて初めてその魅力が分かるんです!!」
「よく言った!!今ユリシさんがいいこと言ったよ?」
ユリシの言葉にこなたが激しく同意する。
そして、いつの間にかユリシ側のトレーナーボックスに上がる。
こうなってしまってはかがみに味方はいない。
それにユリシの言葉はもっとものような気がするし、ここで頑なに断ればどことなくジム戦が出来なかったこなたにも申し訳ない気がする。
「じゃ・・・じゃあ一回だけなら・・・。」
かがみは悩んだ末・・・今後この世界で冒険する上でバトルのセンスをある程度は持っておかなくてはならない・・・
などといった理由をあれこれ付けて、渋々チャレンジャー側のトレーナーボックスに入った。
「やったー!!これでジム戦が生で見れる!!」
こなたはウキウキした表情で瞳を輝かせ急いでかがみ側の見学席に着いた。
「頑張ってーかがみん!!」
「くっ。。。うまく言い丸められたような気が今更ながらしてきた。」
かがみは後ろで自分にエールを送るこなたを横眼で恨めしく睨みながら、自分の軽率な行動に少しばかりの後悔をした。
「じゃあ、始めますよ?かがみちゃん!!」
「・・・はい!!」
ユリシの声にかがみは目線をこなたからユリシの方へと向けた。
「じゃあ、ルールをもう一度言いますね?1対1の使用ポケモン3体・・・。ポケモンの交換はあなただけが許されています。」
「分かりました!!」
ルールの確認が済むと互いに一体目のポケモンをの入ったモンスターボールを手に取る。
「じゃあ、はじめ!!」
審判不在だったため、こなたがかわりに開始の合図を送った。
その声と同時にユリシはボールをバトルフィールドに投げた。
「頼んだわよ?ユンゲラー!!」
「ゲラッ!!」
ユリシ最初の一体はユンゲラーだ。
「じゃあ、行ってムックル!!」
「ムック!!」
かがみはユリシのユンゲラーに対し出したのはムックルだ。
相性的には互角だが経験の浅いかがみにとってはそんなこと関係なかった。
たとえ、相性がかがみ側に有利でもかがみは決して優位には立たなかっただろう。
想像以上のこの緊張感にかがみは早くも参ってしまいそうになる。
「ユンゲラー、”サイケこうせん”!!」
ユンゲラーはスプーンをクロスさせるとそこから念の輪を放出させる。
「ムックル、かわして!!」
素早い動きでユンゲラーの”サイケこうせん”を回避するもかがみには次の指示が頭に出るまでにかなりの時間を要した。
それを察し、ユリシも攻めの速度を少し落とす。
これは彼女のただの同情だけではない・・・。
彼女がチキンだったということも含まれている。
ユリシは相手がそれなりに仕掛けてくるとユリシの方も的確な素早い指示で対応して見せるが、相手が今かがみのようになかなか攻めてこなかったり、怖気ついたりされるとなぜか攻撃の手を緩めてしまう癖があった。
それがかがみにとっては都合がよかった。
かがみは自らが焦燥感に駆られて混乱状態になっていることに気付いていた。
気付いているからこそのパニック・・・
それを後ろから見ていたこなたが敏感にいち早く察していた。
「かがみん!!深呼吸深呼吸!!」
こなたの言葉にかがみは目を閉じ大きく息を吸いそして吐く。
「よし、かがみん!!いけー!!まっすぐごー!!」
こなたの応援も次第にかがみの耳に入ってくる。
「よし、ムックル”でんこうせっか”!!」
「ユンゲラー”サイケこうせん”!!」
ムックルを迎え撃つもユンゲラーの”サイケこうせん”はものの見事にムックルにかわされる。
「そのまま”つばめがえし”!!」
「ゲラ?」
ムックルは高速で縦に旋回するとユンゲラーの視界から一瞬消え失せ、そのままユンゲラーの視界ギリギリの場所に現れ一撃を加える。
「ゲラー!!」
「ムックル”でんこうせっか”!!」
怯むユンゲラーにすかさずムックルがもう一撃を与える。
「ゲ、ゲラー!!」
「今の連続攻撃はかなり効いたね?かがみんもやっぱり・・・」
応援席で必死な表情のかがみを見てニンマリとほほ笑むこなた。
そんな視線に気づくこともなくかがみは次の一手を考えた。
(もう一発当てれば倒れるかな?・・・よし!!)
基本的に体力型じゃないユンゲラーの体力を読みかがみは勝負に出た。
「ムックル、”つばめがえし”で決めるわよ!!」
「ムクー」
ムックルが再びユンゲラーに正面から突っ込む。
「”サイケこうせん”!!」
「”かげぶんしん”!!」
かがみはユンゲラーの”サイケこうせん”にも冷静に反応し、”かげぶんしん”で回避させる。
「よーし!!”つばめがえし”!!」
”かげぶんしん”状態のままムックルは小さく旋回し、ユンゲラーに突っ込んだ。
「ユンゲラー”ミラクルアイ”!!」
かがみは勝ちを確信したかのようにムックルに命ずる。
向かってくるムックルたちをユンゲラーは冷静に見極め、本体だけに狙いを定めた。
「”でんげきは”で決めちゃってください!!」
ユンゲラーの強力な”でんげきは”がムックルにピンポイントに直撃する。
たまらずムックルは地面に墜落してしまった。
「あ・・・ムックル。」
目の前でのびるムックルにかがみは言葉を失う。
「ムックル・・・戦闘不能ですね?」
ユリシの言葉にかがみは悔しそうにムックルをボールに戻した。
(くっ・・・勝てる戦いだったのに。)
悔しさのあまりかがみは無意識に下唇をかんだ。
そんなかがみに後ろからこなたの声が聞こえてきた。
「ドンマイかがみ!!その悔しさをバネにもっと強くなるのよー!!」
「まだ終わってないじゃない!!負けたわけじゃないんだから!!」
こなたの若干からかい含む声援にかがみは猛烈に反論する!!
かがみの心に火がついた瞬間だった。
こなたの煽りがかがみの負けず嫌いの心を一気に刺激したのだ・・・。
最初の嫌々な気持ちはどこへやら・・・
かがみはの心は完全に勝ちに行っていた。
そんなかがみの闘志の燃え様にこなたは勿論ユリシも気がついた。
「かがみさん・・・ようやくやる気になりましたか?」
「最初からやる気です!!手なんか抜いていられないわよ!!」
ユリシのおっとりとした言葉にも声が大きくなる。
「頼んだわよ?チコリータ!!」
「チッコ!!」
かがみの2番手はチコリータだ。
このチコリータの選択にはかがみにはある策があったからだ。
「ユンゲラー”サイケこうせん”!!」
「”ひかりのかべ”!!」
チコリータは自分の前に長方形の壁を張るとユンゲラーの”サイケこうせん”を防いだ。
「あのチコリータ壁持ちだったのか。なかなかに器用だね?」
こなたはかがみのチコリータの隠れた実力に少し驚いた。
「チコ”はっぱカッター”!!」
「チーッコ!!」
チコリータは壁の上を飛び越えるとユンゲラーめがけてはっぱカッターをめいいっぱい浴びせる。
”ひかりのかべ”で意表を衝かれていたせいもあってかユンゲラーはよけ切れず諸に浴びてしまった。
”はっぱカッター”の猛襲が終わったころにはユンゲラーの体力はなかった。
攻撃終了と共にユンゲラーは倒れてしまった。
「ユンゲラー!!」
「やった!!まず一勝!!」
ユンゲラーを倒したことでかがみの気合いにも勢いが走る。
「おつかれ様、ユンゲラー。ゆっくり休んでくださいね?」
ユンゲラーを戻すとユリシは次なるポケモンを繰り出す。
「お願いしますピッピ!!」
「ピーッピ!!」
ユリシの2体目はピッピだ。
「持ってると思った。」
「・・・私も何となくは・・・」
宇宙少女ユリシの予想内のポケモンにかがみとこなたは妙なため息をついてしまう。
そんなこなたたちの視線お構いなしにユリシはバトルを進める。
「ピッピ、先手必勝!!”おうふくビンタ”!!」
ピッピはチコリータに向かい突進し、強烈なビンタの構えに入る。
「”リフレクター”!!」
「え!?」
「チーコ!!」
もう一つの壁技にユリシのみでなくこなたも驚いた。
ビンタの来る寸前でチコリータはドーム状のバリアを張るとピッピの”おうふくビンタ”を軽く弾いた
「”たいあたり”!!」
腕を弾かれ、隙の出来たピッピに強烈な”たいあたり”をお見舞いする。
「ピー!!」
ぶっ飛ばされるピッピ。
見かけによらずかがみのチコリータはパワフルのようだ。
「反撃に出ます!!ピッピ”ゆびをふる”!!」
「な!?」
反撃に出ると言いながらの”ゆびをふる”の指示。
しかし、ユリシには分かっていた。
ピッピの発動する技を・・・。
その彼女の独特な感性で・・・。
「”だいもんじ”!!」
ユリシの言葉と共に現れたのは巨大な『大』の文字が書かれた炎だった。
「うそ・・・」
ユリシの言葉通りの技に焦るかがみと驚くこなた。
「ひ、”ひかりのかべ”!!」
慌てて壁を張らせるが・・・技の力の差は明らかだった。
それは自ら壁を張ったチコリータにまで伝わって、チコリータは咄嗟に頭のはっぱで身を守った。
そして・・・直撃する。
「チコリータ!!」
かがみの声が飛ぶ中煙の中から現れたのは四足で立つ身を黒く燻らせたチコリータだった。
その姿に安心するかがみだったがチコリータは無事だったもののかなりのダメージを負っている。
「一回休んでチコ。」
チコリータの身を労わりかがみはいったんチコリータを戻した。
「クチート、頼んだわよ!!」
「クッチー!!」
当然だがかがみの3体目はクチートだ。
相性的にはクチートが有利だが、ピッピの”ゆびをふる”の前にそんなの関係なくなるのはかがみには百も承知だ。
それ以上にかがみにはある問題があった。
それは・・・
「ねぇ・・・かがみ、そのクチート・・・」
「わ、分かってるわよ!!」
こなたの言葉を遮るようにかがみが誤魔化すような返事をする。
(どうしよう・・・私、この子が使える技が分からない・・・。)
そう・・・
かがみは昨日クチートをゲットしたばかりでその後一度もボールから出していないため、クチートの使える技、能力を熟知していなかった。
分かっているのはクチートが”れいとうパンチ”を使えることと性格が小生意気であまえんぼうということくらいだ。
しかもかがみはポケモン図鑑を鞄に入れっぱなしでポケモンセンターに置いている。
(こんなことになるんだったら図鑑だけでも持ってくるんだった。)
かがみが自分の行動を激しく後悔していると、ユリシの声が飛んできた。
「あのー・・・はじめてもいいですか?」
「あ、は、はい!!」
かがみは慌てて、相手のピッピに目をやる。
(えぇ〜い!考え込んでる場合じゃないわ!!当たって砕けろよ!!)
かがみは悩むのを止め、クチートの動きに専念することにした。
「クチート、”れいとうパンチ”!!」
「ピッピ、”コスモパワー”!!」
冷気を纏った腕を振り上げ突っ込む。
そしてピッピがその攻撃に備え、宇宙のパワー的なものを集め、耐久力を高める。
「クチー!!」
クチートがピッピに”れいとうパンチ”を喰らわせるが耐久の上がったピッピはそれを体で受けとめた。
「”コメットパンチ”!!」
ピッピはクチートの顔に一発お見舞いすると、クチートはそのまま吹き飛ばされた。
「クチート!!」
「ク、クチ・・・。」
立ち上がるクチート。
技が一つしかない(正確には一つしか分からない)クチートにとっての戦術の幅がどうしても限られてくる。
そんな困り果てたかがみを見て何を思ったか、クチートはかがみの命令を聞かずして走り出した。
「クチー!!」
「ちょっと・・・クチート!?」
突然のクチートの行動にかがみはパニックに陥る。
「クーチ!!」
「ピッピ、”コメットパンチ”!!」
真正面から突っ込みピッピの”コメットパンチ”の射程圏内に入ったところでクチートはクルっと後ろを向く。
「ピ?」
「クーチー!!」
突然の行動に意表を衝かれるピッピ。
そんなピッピにクチートは持ち前の牙で噛み砕いた。
「ピ・・・!!」
そしてクチートはそのままピッピを地面に叩きつける。
「ピッピ、反撃行きますよ!”コメットパンチ”!!」
ピッピはユリシの指示ですぐさま起き上がり、クチートめがけて”コメットパンチ”を繰り出す。
「ピ・・・?」
見事、クチートに”コメットパンチ”を当てたピッピだったが・・・クチートのダメージは思ったよりほとんど感じられなかった。
タイプ不一致だったからという理由ではない。
クチートは向かってくるピッピ相手に身体をぐーんと固くして、ピッピの攻撃のダメージを和らげたのだ。
「クチート・・・。」
クチートが一人頑張る姿に心奪われるかがみ・・・。
にわかトレーナーだったかがみにも自分の不甲斐無さが・・・情けなさがこみ上げてきた。
そして、それ以上にクチートの頑張りを次に活かすためかがみは頭を働かせた。
「”てっぺき”に”かみくだく”か・・・あのクチートが自ら使った技はこの二つだけ・・・はがねタイプの技は持ってないのかな?」
さっきからクチートは”れいとうパンチ”を多用するばかりでクチートが使えるはがね技”アイアンヘッド”を一向に使おうとしないことにこなたは疑問を覚えた。
こなたがそんなことを思っている間にクチートは徐々に押されていく。
ユリシの的確な指示は単独で行動するクチートを見事に追い込んだのだ。
「ク、クチ・・・。」
「ピッピ”ゆびをふる”!!」
ユリシはとどめと言わんばかりにピッピにある意味ピッピ・・・いやユリシ最強の技”ゆびをふる”を指示した。
景気よく指を振り始めるピッピ。
「きましたきました・・・!!”ほのおのパンチ”!!」
すると、やはりユリシの予言通り、ピッピの腕から炎が出てきた。
その炎を纏った腕でピッピはクチートに迫る!!
「ピィ・・・!!」
「クチー!!」
迫るピッピに”れいとうパンチ”で迎え撃とうとするクチート・・・。
そんなときだった。
「”てっぺき”!!」
クチートの後ろから指示がとぶ。
落ち着きを取り戻したかがみがようやく戦線復帰したのだ。
クチートはかがみの方を振り向かずして、すぐに”てっぺき”の体勢に入る。
持ち前のツノアゴでピッピの”ほのおのパンチ”を受け切った。
「そのまま”かみくだく”!!」
「クッチ!!」
クチートは自分に向けられた腕をガブリとかみつく。
「ピィ!!」
「そのまま投げ飛ばしてください!!」
ユリシの指示でピッピは痛みに耐え、噛まれた腕を大きく振り投げ、そのまま振りほどきがてらに投げ飛ばした。
「クチート、着地したらピッピに突っ込んで”れいとうパンチ”!!」
かがみの指示を空中で聞いたクチートは素早くそれに対応し、仰向けの姿勢からクルっと身を捻り、見事に着陸して見せた。
そして、そのままピッピに突っ込む。
「ピッピ、”コメットパンチ”!!」
クチートの”れいとうパンチ”とピッピの”コメットパンチが”互いに炸裂した。
クチート、ピッピはふらふらと体を後ろへとふらつかせる。
そして、先に動きを止めたのは・・・ピッピだった。
「ピ・・・。」
動かないのには理由があった。
クチートに”コメットパンチ”が当たったのとほぼ同時にピッピはクチートの拳から溢れる冷気によって凍りついてしまったのだ。
「ピッピ!!ピッピ!!しっかりしてください!!」
ユリシの声むなしく、ピッピは氷の中で既に戦闘不能となっていた。
ユリシはようやくそれに気付くとピッピをボールに戻した。
「ありがと!クチート!!」
「クチ・・・!!」
クチートに目線を合わせ心いっぱいに礼を言うかがみ。
それに対しクチートは素気ない素振りで後ろを向いた。
「クチート・・・?」
「試合が終わるまで油断するなって言いたいんじゃないの?」
こなたの台詞でかがみもハッとなり、自分のはしゃぎ様を自ら心の中で叱りつけた。
そして、再び深呼吸・・・。
「よし!!」
(むふふ・・・かがみん最初はあんなに嫌々だったのに・・・さすがは私をも上回る負けず嫌いさんだ・・・。)
こなたはそんなかがみを微笑ましく見つめていた。
そんな視線に若干な寒気を感じながらもかがみは次の相手に集中する。
「では、行きます!!ノズパス行って下さい!!」
「ノォー!!」
ユリシの3体目のポケモンはノズパスだ。
「ノズパス・・・?」
かがみは呆気に取られた。
それと同時にどこかしら納得した。
「もしかして・・・ユリシさんってノズパス大好なんですか?」
「へ?へ?違いますよ!!んなわきゃないじゃないですか?」
なぜか顔を真っ赤にし必死に否定するユリシ・・・。
別に恥じることはないのに・・・
だがこれで、こなたとかがみはユリシがバトルと引き換えにしてまでノズパスの話を聞きたい理由が分かった。
「まぁいいですけど・・・」
あまりに必死のユリシにかがみはため息をつきながら自分の発言を撤回した。
「じゃ、じゃあ行きます!!ノズパス、”めざめるパワー”!!」
「クチート、かわして”れいとうパンチ”!」
クチートは身軽にノズパスの攻撃をかわすとノズパスの体に”れいとうパンチ”をぶつける。
しかし、まるで何事もなかったかのようなノズパスの様子・・・。
「クチ?」
その様にクチートは驚き、一瞬動きを止めてしまう。
鈍いのかそれとも・・・本当に頑丈なのか分からないが、かがみはとりあえず攻め続ける。
ノズパスの攻撃を見事にかわしながら”れいとうパンチ”をぶつけていく。
「ノズパス”ロックオン”!!」
動きの遅いノズパスにユリシはとうとう確実にクチートを本格的に潰そうとその額に狙いを定める。
「”でんじほう”!!」
「クチート、避けて!!」
「ダメだよかがみ!!なにをやっても”ロックオン”からは逃げられない!!」
必死に逃げるクチートだがどこまでも追尾する”でんじほう”にとうとう追い込まれてしまう。
「クチート!!」
かがみの声虚しくクチートは”でんじほう”をもろに受けてしまった。
クチートは足をよろめつかせそんままその場に倒れていった。
「クチート・・・戦闘不能ね?」
「ありがとうクチート・・・あんたのお陰でようやくなんか分かって来たわよ?ポケモンバトルってやつが・・・」
クチートをボールに戻すかがみは中で傷つき眠るクチートに感謝の言葉を言った。
そして、これが最後のバトル・・・。
ユリシはクチートの”れいとうパンチ”を一発もらったノズパス・・・。
そして、かがみはピッピとの戦いでかなりのダメージが残るチコリータ・・・。
「お願い!チコリータ!!」
「チッコ!!」
「さぁ勝ちに行きましょノズパス!!」
「ノォー!!」
互いに最後の気合いを入れる。
相性でいえばチコリータ断然有利だが・・・いつになく必死に頭を回すかがみ。
その後ろでこなたも頭をかがみよりもよりスムーズに回していく。
「かがみ〜リラックスリラックス!!」
「・・・・!!わ、分かってるわよ!!」
こなたの声を背中に受け、かがみはハッとなり肩の力を抜く。
「よし・・・チコリータ、”はっぱカッター”!!」
「チーコ!!」
まず先制を取ったのはかがみのチコリータだ。
ちゃんとセオリー通りに効果抜群の草タイプの技で攻める。
動きの思いノズパスはかわし切れずチコリータが放つはっぱの猛襲を浴び続ける。
「”ロックオン”!!」
”はっぱカッター”乱れ飛ぶ中ノズパスがチコリータに狙いを定めて・・・逃がさない。
だが、かがみは決して慌てることなく、チコリータに”はっぱカッター”の攻撃をやめさせる。
「”でんじほう”!!」
狙いを定めるとすぐさまノズパスの鼻磁石から強力な眩い雷球が放出された。
「”ひかりのかべ”!!」
チコリータは”ひかりのかべ”を前に張り、”でんじほう”の威力を半減する。
元々、電気タイプの技を受けにくいチコリータには”ひかりのかべ”で威力を殺した”でんじほう”をくらってもさほど問題はなかった。
ただ一点を除けば・・・。
「チ、チコ・・・」
「チコ?」
急に苦しそうな声を出すチコリータは何事かと心配の言葉を掛ける。
そして、気づいた・・・。
チコリータの周りを帯びる電気を・・・
「まさか・・・マヒしたの?」
「だろうね?”でんじほう”は当たれば必ず相手はマヒするから・・・。」
驚くかがみに後ろからこなたが解説を入れる。
「これで終わらせてもらいます!!”ストーンエッジ”!!」
タイプ一致の岩タイプの強力技”ストーンエッジ”で勝負に出るユリシ・・・
それに対し、チコリータはマヒのお陰で一回一回のモーションに先ほどの倍近い時間を要する。
恐らく”リフレクター”張る間もなく”ストーンエッジ”でやられるだろう・・・。
「だったら、”はっぱカッター”!!」
「”ストーンエッジ”!!」
「ノォー!!」
「チ・・・」
やはり、ノズパスの方が早かった。
強力な岩の飛礫がチコリータめがけて容赦なく銃弾のように飛んでくる。
その時だった・・・。
”はっぱカッター”を出そうと前両足を上げたチコリータに急激な痺れが襲い、たまらずチコリータはバランスを崩しその場に倒れてしまった。
「チコッ!!」
「な・・・?」
そのスレスレ上を行くのは・・・ノズパスの”ストーンエッジ”!!
これはかがみでも予想外の出来事だった。
しかしかがみはそのハプニングの中勝利への活路を見出していた。。
「”つるのむち”!!」
寝伏せたままチコリータは”つるのむち”でノズパスの足を捕らえた。
「よし!そのまま転ばせて!!」
「チ・・・コ!!」
「ノォ!!」
チコリータはしびれる体に鞭を打ち、渾身の力でノズパスを転ばせた。
「そのままノズパスに接近して”はっぱカッター”!!」
つるを戻すと同時にその引力で一気にチコリータはノズパスの間合いをとる。
「な・・・?」
「おぉ・・・ゼルダのフックみたいな使い方が出来るんだ。」
あまりに意外なチコリータの器用さにこなたとユリシは度肝を抜いた。
チコリータはノズパスの上に乗ると近距離ではっぱカッターをお見舞いした。
「ノォ!!」
「ノズパス!!」
ユリシの声虚しく、チコリータの”はっぱカッター”の猛襲が終わったころには、ノズパスは気を失っていた。
やはり先のクチート戦での戦いによるダメージが残っていたんだろう。
「やったー!!勝ったじゃんかがみ!!」
ノズパスの戦闘不能を確認するや否や、こなたがかがみに飛びついた。
しかし、未だにかがみには実感が湧かない・・・。
「かがみさん・・・あなたお強いんですね・・・。初心者でそこまで戦えるなんて正直驚きました。」
負けを認めたユリシが残念そうな表情を浮かべながらかがみに歩み寄った。
そして、そっとかがみの手を取りトウハトジムの認定バッジである”コスモバッジ”を手渡した。
「・・・あ!!」
それを手にした時かがみはようやく我に返った。
「おめでとうございます!!これがこのジムのバッジ”コスモバッジ”です。」
バッジを手にし、かがみはようやく初めての勝利をその身で実感する。
表には出さないが、涙が出るほどかがみにとってそれは嬉しかった。
かがみは自分の手の中にあるそのバッジを見つめ、そして自然と口元が緩む。
「あれれ?かがみ・・・嫌がってた割には随分嬉しそうだね?」
「・・・!!」
背中を撫でるようにこなたがかがみに擦り寄りながら耳元で囁いた。
不意を衝かれたかがみは気味が悪いと言わんばかりに慌ててこなたと距離をとる。
「べ、別に嬉しくはないわよ・・・!!」
「じゃあ、なんでさっきほくそ笑んでたの?」
かがみの些細な表情の変化もこなたは見逃さない。
「え、それは・・・」
こなたの意地の悪い問いかけにかがみは顔を紅潮させながら言葉を詰まらせる。
そんな見てるだけでにやけてしまう二人の光景を見ながら、何故かユリシは大きなため息をついた。
「残念です〜・・・ノズパスの話聞こうと思ってたのに・・・」
半泣き状態で落ち込んでしまうユリシにこなたが何事と歩みよる。
「えと・・・鋼の洞窟の話なら話すよ?」
「へ?」
こなたの言葉でユリシはさっきの半べそ状態から一変、パッと笑顔に変わる。
まぁ元はといえば”バトルをしてくれたら話してあげる”という約束だった為別に勝敗とかは別に問題ではないのだ。
ユリシはその辺のことは聞いてはいたはずだが理解はしていなかったようだ。
その晩、ユリシは明日の朝一でここを発たなければいけないにもかかわらず寝る間も惜しんでこなたとかがみからノズパスの異常行動について聞きまくっていた。
どうやら彼女、こなたが睨んだ通りに宇宙と並び大のノズパス好きのようだ。
話の最中ずっとユリシノ目はキラキラ輝いていたそうな・・・
そして翌朝・・・
「ありがとうございます!!!お陰で貴重な資料を手に入れることが出来ました!!」
「はぁ・・・」
昨夜遅くまでユリシに付き合ってた二人はかなり眠そうにユリシの見送りに立ち会った。
「じゃあ、お二人とも道中お気をつけて!!」
「ユリシさんも・・・じゃ!!」
ユリシを見送るとこなたたちもすぐに旅の準備に取り掛かった。
「ふぁ・・・眠い!!」
生欠伸をするこなたにかがみは檄を入れる。
しかし、その檄もまた眠そうだ。
「っていうかあんた・・・いつもネトゲとかやってるんだからこれくらいの睡眠不足は余裕でしょ?」
「いやいや・・・同じ夜更かしでも心持が全然違うよ・・・。自分が楽しいことなら徹夜とかしても平気なんだけど・・・」
「あ・・・そ。」
返す言葉もなくかがみはこなたの言葉を流すとショップで買った道具を鞄に詰めていった。p
「で、かがみん?」
「うん?」
かがみはこなたの方を振り向くことなく荷物の整理をしながら口だけで返事をする。
「初めてのバトルの感想どうだった?」
「・・・まぁ思ったより悪くはなかったわよ?チコリータやクチート達も頑張ってくれたし!!」
少し顔を赤らめながら、あくまで平静を装いながら返事をする。
まぁかがみもバトルの後ポケモンたちとこっそりと祝勝会とまではいかないが勝利を喜び分かち合っていた。
こっそりとは言うが、まぁこなたにはバッチリ見られてはいる。
「また機会があったらやってもいいかな・・・とは思ったわよ。」
かがみのその言葉を聞いたこなたは無性に嬉しくなった。
「よーし、かがみん!目指すはポケモンリーグ優勝だ!!」
「ちょっ!!誰もそこまでやるとはいってないわよ!!」
かがみは無理やりに肩を組ませるこなたの腕を振りほどきながら、自分にそんな気がないとズッパリ言い切った。
そんな話も聞かずにその日のこなたはいつも以上に上機嫌だった。
そして、かがみもそんなこなたを見てると反論も止め、さっさと鞄を持ってこなたに出発を急がせる!!
「よーし!!行くよかがみん!!ポケモンマスターになる日は近いよ!?」
「はいはい・・・。」
2人は特に行き先も決まらないままトウハトシティを後にした。
続く。
あとがき
どもぽちゃです!!
まだまだ実力不足です・・・。
反省します。
かがみの性格とか若干変わってますね?
ユリシの性格ももう少し定めたい・・・。
精進精進・・・。
それより遅くなりました
やろうと思えばすぐにでもアップ出来たんですがちょっと師走だったもんで(意味フ)
来年からはもう少し早く更新できるようになりたいな・・・。
でも急いで雑なものができてもあれだしね。
まぁそれでも十分雑ですが・・・(笑)
まぁまぁゆっくりゆっくりと・・・ね。
じゃ、また!!